■研究内容

神経伝達物質放出の分子メカニズム

私たちは神経細胞間の情報伝達のしくみ、特に神経伝達物質が放出される分子メカニズムに興味を持っています。 脳・神経系のはたらきは、神経細胞間の特殊な構造(シナプス)において、ひとつの細胞から別の細胞に情報が伝達されることに成り立っています。 このシナプスでの情報伝達は、神経細胞の突起の端末から放出される神経伝達物質と呼ばれる化学物質によって担われています。 神経伝達物質は、神経突起の末端においてシナプス小胞という細胞小器官に蓄えられていて、シナプス小胞と細胞膜との融合により開口放出されます。

私たちは、神経細胞がどのようにして伝達物質を放出するのかを明らかにする目的で、特にシナプス小胞に局在するタンパク質シナプトタグミン1の機能の解明に焦点をしぼり、 分子生物学的方法と電気生理学的方法を組合せて実験をしています。 シナプトタグミン1の遺伝子を破壊したマウスから培養した神経細胞におけるシナプス伝達を調べた結果、 シナプトタグミン1へのカルシウムイオンの結合が速い神経伝達物質の放出を引き起こすことを見出しました。 現在私たちは、シナプトタグミン1とカルシウムの結合が、どのような過程を経て神経伝達物質の放出に変換されるのかを明らかにしようとしています。

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